ベナリア杯(6月) 決勝レポート@実行委員会
2010年6月13日 コラム
ベナリア杯(2010年6月)決勝レポート
ベナリアのリーグ戦最終となる決勝戦。
同系対決となった決勝戦の舞台に立ったプレイヤーを紹介しようと思う。
トコロは別府を拠点とする社会人プレイヤーで、いつもメタを読んでそのメタの中心となるデッキを持ち込むイメージがある。
対戦相手は「ID王子」の名で知られるカジタニ。ここ最近は就職活動のために東京へ行っていたがこちらも別府を拠点に活動するプレーヤーで、顔なじみなお互いが談笑しながらシャッフルをしている。
同じ活動拠点、同系対決。そして予選ラウンドでも交えたという二人の物語の幕が開ける。
■Game1
先手はトコロで始まった第一ゲーム。カジタニは《審判の日/Day of Judgment》《流刑への道/Path to Exile》などの同系ではあまり役に立たないカードの群れを嫌ってマリガンを選択するが、2度目の手札には満足したようだ。
初動は二人して《前兆の壁/Wall of Omens》を置いてライブラリーを進めるといったゆっくりとした立ち上がり。
3ターン目にトコロは相手の《天界の列柱/Celestial Colonnade》に《広がりゆく海/Spreading Seas》を貼り付ける。ミラーマッチではこういった細かいカードの使い方でゲームが決まりかねない。
カジタニ 「同系ではメインゲーム取った方が勝てる」
そう試合前に言っていたカジタニはメインボードから搭載している《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》をキャストして自分のみドロー。アドバンテージを得にかかるとともに相手の《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》に対する布石にもなる好カードをプレイした。
次のターンもカジタニは《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》の能力で(-1)を選択し、《地盤の際/Tectonic Edge》で相手の土地を破壊し、メインボード搭載の対ミラーマッチ要員《光輝王の昇天/Luminarch Ascension》をプレイ!メタを見越したカードを次々とプレイしていく。
しかしトコロがプレイするプレインズウォーカーは《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》。打撃で相手の《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》を落としに行く作戦のようだ。
《光輝王の昇天/Luminarch Ascension》を張られたことで選択肢を迫られたトコロは《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》で兵士トークンに飛行を持たせ《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》へアタック。これで《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》は破壊されてしまうが《光輝王の昇天/Luminarch Ascension》へカウンターが1つ溜まることになる。
トコロは《広がりゆく海/Spreading Seas》の2枚目を相手の《天界の列柱/Celestial Colonnade》の2枚目にエンチャントするが・・・白マナを防ぎ《光輝王の昇天/Luminarch Ascension》を無効化できるだろうか?
カジタニは《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》が破壊されたなら、と2番手の《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》をキャスト。
相手の唯一のクロックである兵士トークンをバウンス、さらに相手の《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》は《忘却の輪/Oblivion Ring》で対処、《天界の列柱/Celestial Colonnade》には《地盤の際/Tectonic Edge》、と守りを磐石に固めにかかる。
そうするとまるで対抗するかのようにトコロは白いプレインズウォーカーの2番手《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》をキャスト。
この6/6のプレインズウォーカーの攻撃はひとまず出しておいた《前兆の壁/Wall of Omens》でブロックされるが、追加の《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》を出して兵士トークンを生産。カジタニの守備に対して留まる所を知らないトコロの攻撃。
怒涛のプレインズウォーカーの応酬にカジタニはここで少し考える。《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》のカウンターは1つ。選択肢は無限大。
考えた末、(+0)能力を起動し手札の調整した後は《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》を出し対消滅させる。
カウンターが3つのった《光輝王の昇天/Luminarch Ascension》の前についに道が開けた!
兵士トークンで《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》へアタック、《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》で本体へアタックし、ライフが19から13とこのゲームで初めて《乾燥台地/Arid Mesa》以外でライフが動き出す。
《光輝王の昇天/Luminarch Ascension》の目標達成どころか自身のライフがあぶないカジタニは《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》をプレイして対消滅させ、《前兆の壁/Wall of Omens》を追加しながら《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》を設置して再び守りの構え。
ようやく《光輝王の昇天/Luminarch Ascension》に4つ目のカウンターが乗る・・・前に《忘却の輪/Oblivion Ring》で追放されてしまい、《光輝王の昇天/Luminarch Ascension》計画は頓挫してしまう。少しだけ意気消沈のカジタニ。
だが《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》で差をつけた5枚の手札の中から《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》を呼び出し、相手の《天界の列柱/Celestial Colonnade》を止めて今度は《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》カウンターを溜めはじめる。
ここまで良い展開を見せていたトコロもドローはキャントリップしか撃っておらず、ついに土地を置くだけでターンを返してしまう。
次のターンにはなんとか《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》をプレイし、相手のターンエンドに《流刑への道/Path to Exile》を《前兆の壁/Wall of Omens》へ打ち込んで、残っていた1体の兵士トークンと共に二人のプレインズウォーカーへ攻撃をしかける。
《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》こそ《流刑への道/Path to Exile》で処理されてしまったものの兵士トークンの攻撃が《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》のカウンターを減らすことに成功する。
さらに《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》を引いたトコロは兵士トークンを増やして確実に《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》のトークンを減らそうとするが、カウンターが7つ溜まった《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》を守るべくカジタニは2体の兵士トークンへ《審判の日/Day of Judgment》を。
が、ダメ。トコロの救世主《忘却の輪/Oblivion Ring》で《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》計画も阻まれてしまい、その上カウンターの3つ乗った《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》も相手に対消滅させられ「ちくしょー」と洩らすカジタニ。
それでもまだ手札で勝るカジタニは追加の《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》と《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》を場に出し次の計画を始める。
《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》はトコロの手札からも出され対消滅してしまうが《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》は《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》で強化された兵士トークンでアタックしたところにまたも飛んでくる《流刑への道/Path to Exile》でガッチリガード。《忘却の輪/Oblivion Ring》でトコロの《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》自体も追放されてしまう。
残った攻め手の《天界の列柱/Celestial Colonnade》をずっと封印されているので《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》に触れない。
《軍部政変/Martial Coup》を唱えるも《審判の日/Day of Judgment》ですべて流されてしまう。
もう手はないのか・・・とトコロが引いたカードは《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》トップデッキ!
だが時は既に遅し。ついに《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》の(-7)奥義が決まりトコロの土地はすべて吹き飛ばされてしまう。
残った唯一の頼みの《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》にも《忘却の輪/Oblivion Ring》されてしまったトコロは《乾燥台地/Arid Mesa》を起動し、
トコロ 「もう出す土地ないし!」
カードを片付け始めた。
トコロ 0-1 カジタニ
同系を意識したメインボードを作ったという《光輝王の昇天/Luminarch Ascension》が結果的に多くの《忘却の輪/Oblivion Ring》を強要し、長い長い第1ゲームの結果に結びついた。
しかし冒頭で言っていた「同系ではメインゲーム取った方が勝てる」は時間制限のあるマッチでの話だとも語っていた。
決勝のマッチの時間は無制限・・・サイドボード後の戦いは・・・?
■Game2
お互いが《前兆の壁/Wall of Omens》と《審判の日/Day of Judgment》を抜き、《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》と《否認/Negate》を入れるというサイドボードを取った。
その差はほんの少し・・・トコロは追加の《地盤の際/Tectonic Edge》《流刑への道/Path to Exile》《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》等を入れ、カジタニは追加のカウンターである《剥奪/Deprive》。
《前兆の壁/Wall of Omens》を抜いた二人の2ゲーム目はやはり《広がりゆく海/Spreading Seas》のキャントリップから始まった。
カジタニは相手の《天界の列柱/Celestial Colonnade》へ
トコロは相手の唯一の白マナである《平地/Plains》へ
《島/Island》を置き、相手の思惑通りなのか白マナの出ないカジタニは《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》を先において白マナ発生源を探しに行く。
一方トコロは《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》で相手のマナが揃わないうちに攻めきってしまう姿勢だ。
《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》のドローで白マナを手に入れるが、それは《天界の列柱/Celestial Colonnade》。タップ状態のうちに相手の《地盤の際/Tectonic Edge》で壊されてしまう。
なにも出来ずにあふれた《島/Island》をディスカード。
兵士トークンの攻撃で《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》もやられてしまう。
待望のアンタップインする白マナを手に入れ《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》へ《忘却の輪/Oblivion Ring》をハメるが、それも相手の思惑かサイドボード後のキーカード《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》で《忘却の輪/Oblivion Ring》は割られてしまい《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》は再び戦場へ舞い戻る。
+3/+3飛行を持たせたトークンと《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》の攻撃でカジタニのライフは14に
カジタニは白マナを手に入れる。それはまたしても《天界の列柱/Celestial Colonnade》。その間にカジタニのライフは7へ。
アンタップした頃には相手の《天界の列柱/Celestial Colonnade》と《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》、そして2体の兵士がこちらを睨んでおり、既に《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》に対処したところでどうにもならなかった。
トコロ 1-1 カジタニ
■Game3
《広がりゆく海/Spreading Seas》もなく、土地を静かに置くだけの序盤。双方とも滞りなく4つめの土地を置いたところで双方が《地盤の際/Tectonic Edge》で《天界の列柱/Celestial Colonnade》を壊すという、まさにミラーマッチな展開。
6ターン目になにもせずターンを返すカジタニに対してトコロがついに《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》から動き出す。
これを《否認/Negate》で対応して《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を展開するカジタニは(+2)能力を使用して見えた《忘却の輪/Oblivion Ring》を下に送る。
そして《忘却の輪/Oblivion Ring》はプレイされる。
最初から手札にあるものは仕方がない。仕方がないなら次を出せばいい。カジタニは《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》をプレイしてトークンを出し、相手の対消滅狙いの2枚目の《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》にはこちらも2枚目の《否認/Negate》を合わせる。
さらに《広がりゆく海/Spreading Seas》を2連打し、相手の《天界の列柱/Celestial Colonnade》と《山/Mountain》を単なる青マナに変え、トークンを強化してアタック。
相手の《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》にも的確に対消滅で対応し、1体のトークンの攻撃で瞬く間にトコロのライフは12まで落ち込む。
《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》をプレイし解答策を探すトコロ・・・
なんとデッキの中に眠る3枚目、最後の《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》を引き当て、少し自慢げな顔でこれをプレイ。3枚目の《否認/Negate》・・・はない!
土地がすべてタップしている間に《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》は《天界の列柱/Celestial Colonnade》の攻撃でやられてしまうが《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》で《広がりゆく海/Spreading Seas》を破壊して余ったマナで《地盤の際/Tectonic Edge》を構える。
カジタニは《天界の列柱/Celestial Colonnade》を起動してひとまず《地盤の際/Tectonic Edge》を使わせて、別の《天界の列柱/Celestial Colonnade》を攻撃へ向かわせる。
これには《流刑への道/Path to Exile》を撃たれてしまいカジタニの場の《天界の列柱/Celestial Colonnade》は全ていなくなってしまう。
その間にも《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》を追加し2体で攻撃を刻む。カジタニのライフが13まで落ち込んだところで耐え切れず1体に《流刑への道/Path to Exile》。
さらに《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》を場の脅威として追加するトコロに対して《忘却の輪/Oblivion Ring》で応戦して《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》で解答を探すカジタニだったが2体目の《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》をプレイされてしまい、《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》も《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》のアタックで葬られてしまう。
《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》は尽きない。ドローも尽きない・・・が解答策は見つからない。
3体目に《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を出したところで《否認/Negate》されてしまい、《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》の忠誠度が7個まで溜まった。
今度はトコロ側が《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》をプレイして(+2)を使用。
上に置かれてしまったライブラリーはシャッフルするしかない。《乾燥台地/Arid Mesa》を起動して新しいトップデッキを力強く叩き付ける。
叩き付けられたのは、悲しいかな4枚目の《天界の列柱/Celestial Colonnade》。
「おめでとう」とカジタニは手を差し出した。
トコロ 2-1 カジタニ
トコロ 優勝!
カジタニ 「予選ラウンドと同じでしたね・・・サイド後に《地盤の際/Tectonic Edge》が4枚になるっていうのが強かったです。俺、どこかミスプレイしてましたか?」
負けた後もカードを借りた仲間たちにそうやって質問する、次のゲームのための余念がないカジタニ。戦いの中でおどけた顔も見せるがマジックへの情熱は高い。
一時期、地元を離れていたとは言えそういった情熱と、そして友人たちがここまで彼を導いたのだろう。
・・・一方トコロは、「デッキの名前書いてないんで書いて良いですか?」とデッキ名《いとしのエリー☆誕生日おめでとう》を書き込み、
トコロ 「嫁の名前《えりこ》って言うんですよ。あ、電話かかって来ちゃってるので急いで帰りますね!」
そそくさと会場を後にしていった。
社会人、一家の主という身でもしっかりとしたデッキを作りこんだトコロには女神がついていた?
おめでとうトコロさん!
ベナリアのリーグ戦最終となる決勝戦。
同系対決となった決勝戦の舞台に立ったプレイヤーを紹介しようと思う。
トコロは別府を拠点とする社会人プレイヤーで、いつもメタを読んでそのメタの中心となるデッキを持ち込むイメージがある。
対戦相手は「ID王子」の名で知られるカジタニ。ここ最近は就職活動のために東京へ行っていたがこちらも別府を拠点に活動するプレーヤーで、顔なじみなお互いが談笑しながらシャッフルをしている。
同じ活動拠点、同系対決。そして予選ラウンドでも交えたという二人の物語の幕が開ける。
■Game1
先手はトコロで始まった第一ゲーム。カジタニは《審判の日/Day of Judgment》《流刑への道/Path to Exile》などの同系ではあまり役に立たないカードの群れを嫌ってマリガンを選択するが、2度目の手札には満足したようだ。
初動は二人して《前兆の壁/Wall of Omens》を置いてライブラリーを進めるといったゆっくりとした立ち上がり。
3ターン目にトコロは相手の《天界の列柱/Celestial Colonnade》に《広がりゆく海/Spreading Seas》を貼り付ける。ミラーマッチではこういった細かいカードの使い方でゲームが決まりかねない。
カジタニ 「同系ではメインゲーム取った方が勝てる」
そう試合前に言っていたカジタニはメインボードから搭載している《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》をキャストして自分のみドロー。アドバンテージを得にかかるとともに相手の《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》に対する布石にもなる好カードをプレイした。
次のターンもカジタニは《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》の能力で(-1)を選択し、《地盤の際/Tectonic Edge》で相手の土地を破壊し、メインボード搭載の対ミラーマッチ要員《光輝王の昇天/Luminarch Ascension》をプレイ!メタを見越したカードを次々とプレイしていく。
しかしトコロがプレイするプレインズウォーカーは《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》。打撃で相手の《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》を落としに行く作戦のようだ。
《光輝王の昇天/Luminarch Ascension》を張られたことで選択肢を迫られたトコロは《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》で兵士トークンに飛行を持たせ《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》へアタック。これで《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》は破壊されてしまうが《光輝王の昇天/Luminarch Ascension》へカウンターが1つ溜まることになる。
トコロは《広がりゆく海/Spreading Seas》の2枚目を相手の《天界の列柱/Celestial Colonnade》の2枚目にエンチャントするが・・・白マナを防ぎ《光輝王の昇天/Luminarch Ascension》を無効化できるだろうか?
カジタニは《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》が破壊されたなら、と2番手の《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》をキャスト。
相手の唯一のクロックである兵士トークンをバウンス、さらに相手の《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》は《忘却の輪/Oblivion Ring》で対処、《天界の列柱/Celestial Colonnade》には《地盤の際/Tectonic Edge》、と守りを磐石に固めにかかる。
そうするとまるで対抗するかのようにトコロは白いプレインズウォーカーの2番手《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》をキャスト。
この6/6のプレインズウォーカーの攻撃はひとまず出しておいた《前兆の壁/Wall of Omens》でブロックされるが、追加の《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》を出して兵士トークンを生産。カジタニの守備に対して留まる所を知らないトコロの攻撃。
怒涛のプレインズウォーカーの応酬にカジタニはここで少し考える。《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》のカウンターは1つ。選択肢は無限大。
考えた末、(+0)能力を起動し手札の調整した後は《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》を出し対消滅させる。
カウンターが3つのった《光輝王の昇天/Luminarch Ascension》の前についに道が開けた!
兵士トークンで《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》へアタック、《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》で本体へアタックし、ライフが19から13とこのゲームで初めて《乾燥台地/Arid Mesa》以外でライフが動き出す。
《光輝王の昇天/Luminarch Ascension》の目標達成どころか自身のライフがあぶないカジタニは《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》をプレイして対消滅させ、《前兆の壁/Wall of Omens》を追加しながら《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》を設置して再び守りの構え。
ようやく《光輝王の昇天/Luminarch Ascension》に4つ目のカウンターが乗る・・・前に《忘却の輪/Oblivion Ring》で追放されてしまい、《光輝王の昇天/Luminarch Ascension》計画は頓挫してしまう。少しだけ意気消沈のカジタニ。
だが《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》で差をつけた5枚の手札の中から《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》を呼び出し、相手の《天界の列柱/Celestial Colonnade》を止めて今度は《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》カウンターを溜めはじめる。
ここまで良い展開を見せていたトコロもドローはキャントリップしか撃っておらず、ついに土地を置くだけでターンを返してしまう。
次のターンにはなんとか《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》をプレイし、相手のターンエンドに《流刑への道/Path to Exile》を《前兆の壁/Wall of Omens》へ打ち込んで、残っていた1体の兵士トークンと共に二人のプレインズウォーカーへ攻撃をしかける。
《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》こそ《流刑への道/Path to Exile》で処理されてしまったものの兵士トークンの攻撃が《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》のカウンターを減らすことに成功する。
さらに《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》を引いたトコロは兵士トークンを増やして確実に《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》のトークンを減らそうとするが、カウンターが7つ溜まった《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》を守るべくカジタニは2体の兵士トークンへ《審判の日/Day of Judgment》を。
が、ダメ。トコロの救世主《忘却の輪/Oblivion Ring》で《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》計画も阻まれてしまい、その上カウンターの3つ乗った《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》も相手に対消滅させられ「ちくしょー」と洩らすカジタニ。
それでもまだ手札で勝るカジタニは追加の《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》と《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》を場に出し次の計画を始める。
《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》はトコロの手札からも出され対消滅してしまうが《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》は《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》で強化された兵士トークンでアタックしたところにまたも飛んでくる《流刑への道/Path to Exile》でガッチリガード。《忘却の輪/Oblivion Ring》でトコロの《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》自体も追放されてしまう。
残った攻め手の《天界の列柱/Celestial Colonnade》をずっと封印されているので《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》に触れない。
《軍部政変/Martial Coup》を唱えるも《審判の日/Day of Judgment》ですべて流されてしまう。
もう手はないのか・・・とトコロが引いたカードは《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》トップデッキ!
だが時は既に遅し。ついに《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》の(-7)奥義が決まりトコロの土地はすべて吹き飛ばされてしまう。
残った唯一の頼みの《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》にも《忘却の輪/Oblivion Ring》されてしまったトコロは《乾燥台地/Arid Mesa》を起動し、
トコロ 「もう出す土地ないし!」
カードを片付け始めた。
トコロ 0-1 カジタニ
同系を意識したメインボードを作ったという《光輝王の昇天/Luminarch Ascension》が結果的に多くの《忘却の輪/Oblivion Ring》を強要し、長い長い第1ゲームの結果に結びついた。
しかし冒頭で言っていた「同系ではメインゲーム取った方が勝てる」は時間制限のあるマッチでの話だとも語っていた。
決勝のマッチの時間は無制限・・・サイドボード後の戦いは・・・?
■Game2
お互いが《前兆の壁/Wall of Omens》と《審判の日/Day of Judgment》を抜き、《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》と《否認/Negate》を入れるというサイドボードを取った。
その差はほんの少し・・・トコロは追加の《地盤の際/Tectonic Edge》《流刑への道/Path to Exile》《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》等を入れ、カジタニは追加のカウンターである《剥奪/Deprive》。
《前兆の壁/Wall of Omens》を抜いた二人の2ゲーム目はやはり《広がりゆく海/Spreading Seas》のキャントリップから始まった。
カジタニは相手の《天界の列柱/Celestial Colonnade》へ
トコロは相手の唯一の白マナである《平地/Plains》へ
《島/Island》を置き、相手の思惑通りなのか白マナの出ないカジタニは《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》を先において白マナ発生源を探しに行く。
一方トコロは《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》で相手のマナが揃わないうちに攻めきってしまう姿勢だ。
《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》のドローで白マナを手に入れるが、それは《天界の列柱/Celestial Colonnade》。タップ状態のうちに相手の《地盤の際/Tectonic Edge》で壊されてしまう。
なにも出来ずにあふれた《島/Island》をディスカード。
兵士トークンの攻撃で《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》もやられてしまう。
待望のアンタップインする白マナを手に入れ《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》へ《忘却の輪/Oblivion Ring》をハメるが、それも相手の思惑かサイドボード後のキーカード《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》で《忘却の輪/Oblivion Ring》は割られてしまい《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》は再び戦場へ舞い戻る。
+3/+3飛行を持たせたトークンと《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》の攻撃でカジタニのライフは14に
カジタニは白マナを手に入れる。それはまたしても《天界の列柱/Celestial Colonnade》。その間にカジタニのライフは7へ。
アンタップした頃には相手の《天界の列柱/Celestial Colonnade》と《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》、そして2体の兵士がこちらを睨んでおり、既に《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》に対処したところでどうにもならなかった。
トコロ 1-1 カジタニ
■Game3
《広がりゆく海/Spreading Seas》もなく、土地を静かに置くだけの序盤。双方とも滞りなく4つめの土地を置いたところで双方が《地盤の際/Tectonic Edge》で《天界の列柱/Celestial Colonnade》を壊すという、まさにミラーマッチな展開。
6ターン目になにもせずターンを返すカジタニに対してトコロがついに《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》から動き出す。
これを《否認/Negate》で対応して《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を展開するカジタニは(+2)能力を使用して見えた《忘却の輪/Oblivion Ring》を下に送る。
そして《忘却の輪/Oblivion Ring》はプレイされる。
最初から手札にあるものは仕方がない。仕方がないなら次を出せばいい。カジタニは《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》をプレイしてトークンを出し、相手の対消滅狙いの2枚目の《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》にはこちらも2枚目の《否認/Negate》を合わせる。
さらに《広がりゆく海/Spreading Seas》を2連打し、相手の《天界の列柱/Celestial Colonnade》と《山/Mountain》を単なる青マナに変え、トークンを強化してアタック。
相手の《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》にも的確に対消滅で対応し、1体のトークンの攻撃で瞬く間にトコロのライフは12まで落ち込む。
《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》をプレイし解答策を探すトコロ・・・
なんとデッキの中に眠る3枚目、最後の《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》を引き当て、少し自慢げな顔でこれをプレイ。3枚目の《否認/Negate》・・・はない!
土地がすべてタップしている間に《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》は《天界の列柱/Celestial Colonnade》の攻撃でやられてしまうが《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》で《広がりゆく海/Spreading Seas》を破壊して余ったマナで《地盤の際/Tectonic Edge》を構える。
カジタニは《天界の列柱/Celestial Colonnade》を起動してひとまず《地盤の際/Tectonic Edge》を使わせて、別の《天界の列柱/Celestial Colonnade》を攻撃へ向かわせる。
これには《流刑への道/Path to Exile》を撃たれてしまいカジタニの場の《天界の列柱/Celestial Colonnade》は全ていなくなってしまう。
その間にも《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》を追加し2体で攻撃を刻む。カジタニのライフが13まで落ち込んだところで耐え切れず1体に《流刑への道/Path to Exile》。
さらに《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》を場の脅威として追加するトコロに対して《忘却の輪/Oblivion Ring》で応戦して《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》で解答を探すカジタニだったが2体目の《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》をプレイされてしまい、《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》も《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》のアタックで葬られてしまう。
《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》は尽きない。ドローも尽きない・・・が解答策は見つからない。
3体目に《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を出したところで《否認/Negate》されてしまい、《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》の忠誠度が7個まで溜まった。
今度はトコロ側が《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》をプレイして(+2)を使用。
上に置かれてしまったライブラリーはシャッフルするしかない。《乾燥台地/Arid Mesa》を起動して新しいトップデッキを力強く叩き付ける。
叩き付けられたのは、悲しいかな4枚目の《天界の列柱/Celestial Colonnade》。
「おめでとう」とカジタニは手を差し出した。
トコロ 2-1 カジタニ
トコロ 優勝!
カジタニ 「予選ラウンドと同じでしたね・・・サイド後に《地盤の際/Tectonic Edge》が4枚になるっていうのが強かったです。俺、どこかミスプレイしてましたか?」
負けた後もカードを借りた仲間たちにそうやって質問する、次のゲームのための余念がないカジタニ。戦いの中でおどけた顔も見せるがマジックへの情熱は高い。
一時期、地元を離れていたとは言えそういった情熱と、そして友人たちがここまで彼を導いたのだろう。
・・・一方トコロは、「デッキの名前書いてないんで書いて良いですか?」とデッキ名《いとしのエリー☆誕生日おめでとう》を書き込み、
トコロ 「嫁の名前《えりこ》って言うんですよ。あ、電話かかって来ちゃってるので急いで帰りますね!」
そそくさと会場を後にしていった。
社会人、一家の主という身でもしっかりとしたデッキを作りこんだトコロには女神がついていた?
おめでとうトコロさん!
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